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2010年07月10日

2010.06 読了本

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拝金」 堀江貴文 (著)

堀江貴文の小説デビュー作。自身が歩んできた道を少しずつ取り込み、そこに架空の人物を追加していく感じなので、非常に読みやすい。背景をいくらか知っているから、場面をそこまで想像しないでいい。というのにプラスして文体やそもそもの文量も多くないことなどから、買った日に読み終わってしまった。あちこちのレビューでも「スピード感があって一気に読んじゃいました」というのが目立つのはそういうことだろうと思う。堀江貴文という人やあの頃の一連の事件を知らずにこの本を「1冊の小説」として手に取った場合の感想で言うと対した事はない。それは当然で初めて書いた小説がそんな完成度高かったら、プロ小説家はどうすんだよ、てことだと思う。逆にデビュー作として考えたら、十分面白いと思う。本を読む習慣があまりなく、かつ堀江貴文に嫌悪感がない人は楽しめると思う。

読み終わって数日したときにApp Storeにアプリ版が出たのが、予想通りというか残念というか。電子書籍くらいがちょうどいいかもしれない。500円弱安いし。

100710_5.jpg [App Store] 拝金


クォンタム・ファミリーズ」 東浩紀 (著)

読み終わったのは今月だけど、6月分で。発売は昨年末。先日、新潮社の三島由紀夫賞を取った作品。著者のTweetみてると授賞式に関して一悶着あった感じだけど、まぁそもそもこの賞自体が知名度が低いし。文壇てそんなもんだろうと思ったのが本音。三島賞と山本周五郎賞で、直木賞・芥川賞に対抗しているわけだが、知名度の差があり過ぎ。受賞作が受賞後バカ売れするわけでもないし。大きな賞をとる作品は内容は一定レベル以上はともかく、プラスαの利権が絡んでいるように思ってる。なので、実はそこまで期待はしてなかった。(むしろ廃盤になる前にとりあえず買っておこう的な)

でも、面白かった。「1Q84」同様、最近多い並行世界ネタ。注意して読まないとどの世界か分からなくなりかねない。「1Q84」より専門的っぽい単語が多いし、ネット世界の流れをある程度知っていないとやはり抵抗があるかもしれない。家族の繋がりがテーマのベースにあるのだけど、その世界観を表現するために散りばめられた情報に興味がいった。個人的にはTwitterなんかでもおなじみのbot。botが増大した世界を想像するとやはりそれは情報の正確さに影響する。それを巧みに表現しているのが素晴しい。

が、小説としてみた場合。いくつか残念だな、と思う点があったのも確か。特に人物描写や人物そのもののキャラクター設定。そこがメインの小説なだけに少し損をしている。人の名前に難しい漢字を使っていない。読みも難しくない。だけど一般的でない。ゆえに読みにくく、流れを邪魔している。そういうところがいくつかある。

なんだけど、今のところ今年読んだ中で一番面白かった。


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死神の精度」 伊坂幸太郎 (著)

伊坂幸太郎の代表作?と思っているんだけど、App Storeを徘徊していたらアプリになっていたから電子書籍も物は試し、買ってみた。Appで買うと、450円なので文庫の550円より100円安い。で、これが意外に読みやすいし、不都合な感じが全くなかった。あぁ、こうして紙媒体はなくなっていくんだな、と初めて感じたのがこれ。

作品はとても面白い。一気に読めるし、読んだあとにモヤモヤすることもない。明確に最後まで書ききって欲しいとか望んじゃう人はモヤっとするのかな?そんなに書ききっている小説なんて最近ないと思うけどね。伊坂幸太郎がここにきてトップ小説家に登りつつあるのはやっぱり確かかも。万人が抵抗なく読める、これが重要なんだと思う。東野しかり、宮部しかり。

まぁ、しかし紙媒体より電子書籍の方が物質的な存在感がないから、面白くなかったら読むのを止めてしまうんだろうな、というシビアな感じもある。直接過ぎて作家泣かせと感じる時代になったのかも。反面、自費出版の敷居は下がり、売れなくなった本が再び売れる、という利点もあるので、どっちもどっちかな。アメリカとは本を読む場所、時間が圧倒的に異なる日本で電子書籍がどうなるか、そこは注目。いずれにせよ、そこらへんはまた別の機会にまとめるとして、電子書籍デビューに最適なので未経験者は試してみたらどうかな。

100710_4.jpg [App Store] 死神の精度

2010年07月09日

Amazon or 楽天ブックス

勝間和代氏のブログ(というかtwitterで盛り上がった勢いでエントリーしたぽい)にAmazonと比較した場合の楽天ブックスに関するエントリーがあり、今更ではあるけど改めて重要なポイントに言及していると思った。自分も読了本のエントリーで本を紹介するときのリンクは前々から楽天ブックスに貼っている。リンク先のレビューを読んで判断してもらいたいという他人任せな思いもあるが、同じレビューでもAmazonにしないのはまさに下記が理由。


1. 楽天ブックスのレビューは、楽天ブックスでその商品を買った人しか、書けず、さらに、十分な数が集まらないと、平均値がでないようになっていること。

楽天ブックスに感動→ブログのリンクをamazonから楽天ブックスに切り替えます | 勝間和代公式ブログ


買っていない人のレビューなんて全く用を満たさない。レビューがらみで言うと、発売前の予約時点でレビューが書かれているのもおかしな話だと思うけどね。

2010年06月10日

2010.05 読了本

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1Q84 BOOK1 (4月-6月)」 村上春樹 (著)
1Q84 BOOK2 (7月-9月)」 村上春樹 (著)
1Q84 BOOK3 (10月-12月)」 村上春樹 (著)

今更だが、言わずとしれた昨年・今年のベストセラーをBOOK3が出たのを機に一気読みしてみた。すぐに読まなかったことに特に理由はない。今までの村上作品もほとんど読んでいるが出てすぐ読みたいというほどでもなかったので。あくまでも自分にとっては、だけど。そもそもで、発売する前に予約だけでベストセラーになるっていうのも意味が分からない。売れている理由が内容ではない、というのだけは証明してしまっていると思う。

読んでまず感じたのは、大衆文学だなー、という印象。普段あまり本を読まない人が予約して買って読んでみて行き詰まってしまう、ということはなかったと思う。独特の言い回しというか表現はやはり多いが、何を意味しているかが分からないほどではない。国語のテストで「下線部は何を意味していますか?」と出題されてもまず間違わない。これは読者層を増やしたかったのかもしれない。本を読まない人に読ませたい、本という媒体を残したいという感じだろうか。BOOK3のP132あたりで電子書籍に抵抗があるんじゃないかな、と感じた部分がちょっとだけあったので、そういうのもあるのかも。

正直、この作品はBOOK2で終わらせておく方が良かったと思った。が、BOOK3を出した以上、BOOK4、5と進める必要があると思う。時間軸的に1Q85になってしまうとしても3では終わらせられない。そこには電子書籍云々も含め、既存の出版社や版下のために書いている、という気がしてならない。そういう意味ではBOOK4が出てもおかしくない。

作品全体を通して深くつっこむ気はないが、背景描写が雑なのが気になった。そもそもで背景はほとんど出てこないのだが、1984年という時代をベースにした作品として考えると携帯電話が出てこないことは正しくてなんら違和感はない。反面、ミネラルウォーターやデンタルフロスが出てくることに違和感がある。そういうレベル。

どうしてもBOOK3が納得出来ないのは、1冊の前半半分は視点を変えただけでBOOK1,2の復習になっていた点。だから元々出す気がなかったんじゃないの?と思わずにはいられない。あと、途中の「カミソリの仮定」への流れが強引過ぎるのも雑。いくつもの仮定からその答えを導くならまだしも、1つ思いついてそれが答えってのは。。。火サスでも2、3回選択間違えるけどね。

結論としては、これまで村上作品を読んだ事がない人が興味を持ったなら読んでみるといいと思う。何せ読みやすいのでハードカバーに触れるにはもってこい。でも普段の生活の中で読んだ人は多い割に「1Q84面白かった!」て一度も聞かないのも事実なんだよね。どちらかというと「ねじまき鳥」とか「世界の終わり」が好きなんで路線が違うのかな。そうか、スッキリしちゃうからか。スッキリさせたらダメだよ、村上作品は。だからBOOK2で終わるのが良かったんだ。

で、ありきたりの流れだけど、時間があるときにジョージ・オーウェルの「1984年」を読んでみようと思う。

2010年04月23日

2010.04 読了本

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ロスト・シンボル(上)」 ダン・ブラウン (著)
ロスト・シンボル(下)」 ダン・ブラウン (著)

ラングドン教授の新作。キリスト、イルミナティときて今回はフリーメイソン。3作目ともなるとだんだん黄門化というかコナン化というか、まぁ「お決まり」になりつつある。そして、これも映像化を狙ってる書き方という感じがする。このシリーズは「宗教と科学の戦い」が背景にあり、作品を追うごとに宗教よりの視点から科学よりになってきているように感じる。次の作品の題材は、ガリレオかニュートンかアインシュタインか。ラスト数十ページが退屈だったのが残念だけど、お決まりの作品としては十分面白い。東京-新大阪間の新幹線とかで読むとちょうどいい。

2010年04月10日

2010.03 読了本

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最高処刑責任者(上)」 ジョーゼフ・ファインダー (著)
最高処刑責任者(下)」 ジョーゼフ・ファインダー (著)

半年前くらいの日経ビジネスで紹介されていて、タイトルに惹かれて買ったけど、損した感じ。全然面白くない。そもそも面白くないのか、訳者に問題があるのか分からないけど、まぁ、それでも面白くないと思う。これを紹介していた人が残念。ストーリーもそうだが、主人公に感情移入できるかどうかというのも少なからず面白さを左右する条件の1つだと思うが、本作に関しては主人公に対して嫌悪感のようなものが先行してしまう。全然好きになれない。むかついてしまう。誉めるとこをなんとか探すとすれば、これ、映像化向けの作品だと思う。日本人でやってもダメだけど。最初から映像化狙っていないか?と思う小説が最近多いのが気になる。

あ〜ぁ、楽天イーグルス」 野村 克也 (著)

ノムさんが楽天を2位に成長させるまでどういうことを考えていたかを、ヤクルト時代、阪神時代も織りまぜながらまとめた一冊。プロ野球好きなら読んでつまらないということはないと思う。テレ朝のGet-sportsとか好きな人でも可。中盤の内容は、監督退任後にいくつかのTV番組でも語っていたことなので、これは知ってる、という内容も多々あり。さらさらっと読める書きっぷりなので、読書癖がなかったり新書に抵抗のある人でも大丈夫そう。自分を買いかぶり過ぎだろ、というとこも多々あり、その度にちょっと勘違いしてるなーと思いたくなるけど、イラッとはしない。ノムさんだからと思われる。本作で一番良かったのは、あとがき。去年のCSで日ハムに負けて監督業が終わったときに、両チームに胴上げされたときの気持ち、なんというか正直な気持ちが一番出ていて良かった。

まぁノムさんの本だとやっぱり「野村ノート」が一番だけど。

2009年12月25日

スウェーデンブーム

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EVENで見かけたパターがかっこ良かったので調べてみた。PROFOUND Dark ACE、欧州ツアーではじわじわ知名度アップ中みたいだけど、まだまだこれから。日本でもまだ取り扱いは少なそう。ブランド名(PROFOUND)が英語圏ぽかったので分からなかったけど、スウェーデンのブランドらしい。スウェーデンといえば、J.LINDBERGもそうだし、ゴルフに関してもやはり北欧デザイン健在。まぁ、しかしどっちも高いな。

そういえば、そろそろまとめ読みしようと思っていたスティーグ・ラーソン著の「ミレニアム」もスウェーデンの作品。じわじわとスウェーデンがきてるな。自分的に。

2009年07月02日

2009.06 読了本

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天使と悪魔(上)」 ダン・ブラウン (著)
天使と悪魔(中)」 ダン・ブラウン (著)
天使と悪魔(下)」 ダン・ブラウン (著)

「ダヴィンチ・コード」に比べて理解しやすいため、読みやすい。黒幕が誰か、というのはそもそも登場人物も限られているのですぐに分かるけど、それでも楽しめた。「イルミナティ」なんて好きな男(妄想好きな人)多そうだし、コンクラーヴェやセルンによるビックバン再現実験などここ数年実際に話題になったニュースだったりしたので、基本的に理解しやすい。ただ「ダヴィンチ・コード」もそうだったけど、内心の描写がまわりくどいし、しつこい。著者の癖なのか訳者の問題なのか分からないけど。ちなみに「天使と悪魔」の方が「ダヴィンチ・コード」より古い作品なので、この作品のレビューで「ダヴィンチ・コード」とかぶる点が多いと書いている人はおかしい。正確には「ダヴィンチ・コード」のレビューに「天使と悪魔」とかぶっていると書かないとダメかと。

娯楽度が高いという点は、おそらく映画もそうだと思うので暇になったら映画も観てみようと思う。むしろ文字より映像の方が楽しめる作品かもしれない。

2009年06月20日

STUDIO VOICE & Pen

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「STUDIO VOICE」の最新号(2009/7号)が相対性理論の特集。少し前に会社の人から相対性理論のCD「シフォン主義」と「ハイファイ新書」を教えてもらい、ちょうど通勤のときに聴きまくりだったので、個人的にすごく旬。メディア露出がほとんどないので、ボーカルのやくしまるえつこの写真が載っているのは、本誌のウリかも。(特典はやくしまるの朗読CD)

で、相対性理論を聴いているとその特徴的な声や歌詞よりも、サウンドが気になって仕方ない。以前よく聴いたと思う何かに似ている。それがなんだか分からず。スクーデリアエレクトロ?音速ライン?ロロロ?違う、もっと前だなー。気になってしょうがないので、誰か教えて。

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同じく今売ってる雑誌で「Pen」の7/1号の特集がステキ。「神社とは何か?お寺とは何か?」これは読むべき。やっぱりあまり知らない点が多い。面白い。Penは隔週発売ですぐ次号になるので、興味ある人は急いで、本屋でチェキ。

2009年06月02日

2009.05 読了本

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徹底抗戦」 堀江 貴文(著)

結局、ライブドア事件って何だったの?というとこを本人自ら書いた一冊。そもそもホリエモンを有罪と信じるか無罪と信じるか、読む側がどっちの立場かによる。前者の場合、これはやっぱり無罪かもと読者の意識を覆すほどの力はない、かといって後者の場合、まぁそうだよなー、という程度の感じ。自分は元々後者なので、改めて同感というか同情というか、まぁ特筆すべきほどのこともなくさらっと読んで終了みたいな。本人による執筆以外に新鮮なネタはないので、ある種、ホリエモンが好きな人向けなのかな。
それより、この事件、マスコミは視聴率や発行部数のためにやりすぎだったんじゃないかな。そういうやり方は昔からずっと変わらないわけで、これを読んで、やっぱりひどい報道だったんだなー、って。マスコミの報道もあれだが、それを鵜呑みにするような視聴者もどうかと思うわけだけど。あと被害者(損失出した人)ともずっと法廷で争っていて、最近も被害者側が勝訴していたけど、あれもどうかと思う。そもそも、審査・上場管理をしている東証がしっかりしていれば、という考えに被害者がならないのも不思議。それ以前、そもそも論で、投資は自己責任だと思うけど。
個人的に、ライブドアは今でこそ組織も仕事内容も事件当時と全然違っているが、あの当時すごい会社だと思った。あの事件当日・翌日のアクセス数に対して、ページがダウンすることなく通常のレスポンスを続けたのだから、その設備投資や技術力には正しく優秀なものがあったのではないかと。

臨場」 横山 秀夫(著)

たまたま観たドラマ(第二話だった)にはまって毎週ドラマ「臨場」を観ているが、その原作。ドラマはドラマで、原作は原作で面白い。短編構成なので、基本的にさくさく読める。キャラがしっかり立っている作品なので、シリーズにしても人気が出るように思う。

黒猫の三角」 森 博嗣(著)

森作品のいわゆるVシリーズ1作目。はじめて読んだんだけど、正直若干物足りない。動機が曖昧に感じたからかもしれない。ただ、単純な誰でも理解できる動機ばかりが答えである必要もないし、理解できないように敢えてしたのかもしれない。シリーズ数冊を1つの作品ということで考えると、このあと数冊出ているVシリーズを読んでいくことで結局はまるのかもしれないがどうだろう。

まどろみ消去」 森 博嗣(著)

森博嗣初の短編集。初って言っても発売はだいぶ前(97年)だけど。1つ1つの短編が短めなので、1冊に11編も入っていた(メジャーなとこで比較すると、伊坂幸太郎の「死神の精度」は6編、東野圭吾の「探偵ガリレオ」は5編)。S&MシリーズやMLAを読んでいたので楽しめたが、もし森作品を読んだことがない人がこの本を1冊目に選択するとしたら、それはやめた方がいいかも。森作品にしては珍しく、1冊通してファン向けな作りな気がする。何はともあれ自分は楽しかった。

2009年05月10日

男子ごはん

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ムスコの夕食作りということで、久々に料理してみた。ハヤシライス。2歳向けなので具材は小さめに切って。玉ねぎを根気よく焦がさないように長時間炒めて柔らかさと甘みを。灰汁を取り除くのもかなり気合いを入れて。味にシビアな2歳ががっつり食べてくれたのでうまく出来たのではないかと。

男飯といえば、テレ東の「太一×ケンタロウ 男子ごはん」は毎週チェックする料理番組。ゆるい雰囲気ながら割と凝った料理が多い。観てるだけでは出来そうで出来ない微妙なレベルだったが、そんな番組が料理本(太一×ケンタロウ 男子ごはんの本)になったということで当然マストバイ。写真もキレイ、中身もぎっしり。ちょっと料理器具が一人暮らしの男子では厳しいと思うけど、料理が出来るとやはりかっこいいな。今年こそ料理やってみる?みたいな。

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